2026年8月16日のAIニュース Geminiの透かしがオフにできる

今日の注目は、GoogleがGeminiで作った画像や動画に付く見える透かしを、設定でオフにできるようにしたことです。見えないSynthIDとC2PAのメタデータは残るため、AIで作ったという記録そのものは消えません。ほかに、暗号化したままAIが計算するためのHEIRの公開、Apache 2.0で公開されたQwen3.8-27B、Anthropicのリスクレポートと社内モデルModel 2、欧州のChatGPT無料プランへの広告導入、Appleが中国向けに自社モデルを学習させた件の5件を取り上げます。

2026年8月16日のAIニュース|Geminiの透かしがオフにできる

今日は、AIが作ったものをどう見分けるか、という話が大きく動いた日です。

Googleが、Geminiで作った画像や動画に付く見える透かしを、利用者の設定でオフにできるようにしました。

ほかに、暗号化したままAIが計算するための基盤HEIRの公開、Apache 2.0で公開されたQwen3.8-27B、Anthropicのリスクレポートと社内モデルModel 2、欧州のChatGPT無料プランへの広告導入、そしてAppleが中国向けに自社モデルを学習させた件を取り上げます。

今日の注目 Geminiが作った画像の見える透かしをオフにできます

Media Watermarkの設定で画面隅の見える印だけをオフにでき、SynthIDとC2PAのメタデータは設定に関わらずファイルに残り続けることを示す対比図

Googleは8月14日、Geminiが生成した画像・動画・音楽に付く見える透かしを、設定でオフにできるようにすると明らかにしました。

Gemini担当のバイスプレジデントであるJosh Woodward氏がXへ投稿した内容です。

操作は、設定からMedia Watermarkを選び、表示のオンとオフを切り替えるだけです。

対象になるのは、Nano Banana、Omni、Lyriaの3つのモデルです。

使える場所はGeminiアプリと動画編集のFlowで、検索での対応はその後になるとしています。

提供は数日のうちに順次始まります。

一方で、見えない側の仕組みはそのまま残ります。

すべてのファイルに埋め込まれるSynthIDと、来歴を記録するC2PAのメタデータは、この設定に関わらず付いたままです。

つまり切り替えられるのは、画面の隅に出る印だけということになります。

AIで作ったファイルかどうかは、これまでどおりGeminiやGoogle検索にファイルを渡せば確認できます。

あわせてGoogleは、C2PAの来歴情報を検証するためのC++ライブラリCredentioをオープンソースとして公開するとしています。

NotebookLM(現Gemini Notebook)を仕事で使っている方にとっての意味は、AIで作った図を提出物に使うときの見え方が変わることです。

これまでは生成した画像に必ず印が入るため、社外へ出す資料には使いにくいという事情がありました。

今回の変更で、少なくともGeminiアプリとFlowでは、その印を外して書き出せるようになります。

ただし、Gemini Notebookが作るインフォグラフィックや動画解説がこの設定の対象に含まれるかどうかは、今回の告知では触れられていません。

現時点では公表されていないため、ノートブック側でも同じように外せると考えるのは早いです。

また、見える印が消えてもSynthIDとC2PAは残るため、AIで作ったという事実そのものが消えるわけではありません。

社外へ出す資料では、どこまでをAIに作らせたのかを自分で書き添えておくほうが安全です。

ノートブックから動画を書き出す手順はNotebookLMの動画解説の作り方にまとめています。

製品の名称が変わった経緯はNotebookLMがGemini Notebookに改称をご覧ください。

そのほかの動き

Googleが暗号化したままAIを動かすためのHEIRを公開しました

暗号化したデータをそのままサーバーへ送り、サーバーは中身を見ないまま計算し、暗号化された結果を返す3段階のステップ図

Googleは8月14日、HEIRというオープンソースのコンパイラ基盤を公開しました。

学習済みのAIモデルを、暗号化されたままのデータの上で動く形へ変換するための開発ツールです。

これまでは暗号の専門家が手作業で書き換える必要がありました。

サーバー側は暗号文のまま処理して暗号化された結果を返すため、途中で中身を見ることはありません。

実例として、推薦システム、クレジットカードの不正検知、ネットワーク侵入検知、音声のホットワード検出の4つが示されています。

ソースコードはGoogleのGitHubで公開されています。

社内資料をAIに預けてよいかという不安は根強いですが、その前提そのものを技術で変えようとする動きだといえます。

資料を預けるときの現在の考え方はNotebookLMに社内資料を入れて大丈夫?にまとめています。

Qwen3.8-27BがApache 2.0で公開されました

Qwen3.8-27Bのパラメータ数277億、文脈長262,144トークン、ライセンスApache 2.0という3つの数値を大きく並べたカード図

Alibabaのチームは8月14日、Qwen3.8-27BをApache 2.0のライセンスで公開しました。

パラメータ数はおよそ277億で、文章に加えて画像と動画を扱えます。

文脈長は262,144トークンで、100万トークンまで拡張できるとしています。

公表されている数値では、コマンドライン操作のTerminal Bench 2.1が73.0、ソフトウェア開発のSWE-bench Proが61.7、科学的な設問のGPQA Diamondが89.2です。

FP8へ量子化した版も同時に公開され、精度は元のモデルとほぼ変わらないと説明されています。

手元のGPU1枚で動かせる大きさに収めた公開モデルで、外に出せない資料を自前の環境で扱いたい場面の選択肢が増えます。

Anthropicがリスク評価を引き上げ、社内モデルを外部に出さないと述べました

ミスアライメントの評価が「非常に低い」から「低い」へ変わったことと、社内モデルModel 2が公開前評価を終えていないため外部提供の予定がないことを示す対比図

Anthropicは8月14日、2回目となる全社的なリスクレポートを公開しました。

モデルが意図から外れるミスアライメントの評価を、これまでの「非常に低い」から「低い」へ引き上げています。

新しい問題が見つかったからではなく、全体としての不確かさが増したためだと説明されています。

評価に使ってきた課題が飽和してしまい、能力の伸びを測れなくなってきたことが理由に挙げられました。

あわせて、外部には出していない社内モデルModel 2の存在が明かされています。

社内でのコーディングとデータ生成に使われており、公開前の評価をすべて終えていないため、現時点で外部へ提供する予定はないとしています。

欧州のChatGPT無料プランに広告が入ります

広告が入るのはFreeとGoの2つで、Plus・Pro・Enterprise・Business・Educationには入らないこと、当初は現在の会話の文脈だけで選ばれることを示す図

OpenAIは8月15日、欧州経済領域とスイスの利用者に対し、ChatGPTへ広告を導入すると通知しました。

対象はFreeとGoの2つで、Plus、Pro、Enterprise、Business、Educationには広告が入りません。

最初の段階では、いま話している内容と広告の中身を照らし合わせて選ぶ方式に限られ、過去の会話や保存された記憶は使われないとしています。

広告主へ渡るのは表示回数やクリック数といった全体の数値だけで、会話そのものは渡りません。

18歳未満の利用者と、健康や政治といった話題は対象から外されます。

広告なしのFreeプランへ切り替えることもできますが、送れるメッセージ数と使える機能は減ります。

Appleが中国向けに自社のモデルを学習させました

外部モデルを組み込む形から自社で学習させたモデルを中国向けに提供する形へ変わり、外国企業として初めて認可されたことを示す変更前後の対比図

Reutersは8月14日、Appleが中国市場向けに自社の大規模言語モデルを学習させたと伝えました。

Alibabaの協力を得て開発したもので、Appleは中国政府から自社のAIモデルの提供を認められた初めての外国企業になったとされています。

当初はAlibabaのQwenを外部のモデルとして組み込む形で合意しており、SiriとQwenをつなぐ手順を説明したMac向けの案内が一度公開され、1日で取り下げられた経緯もあります。

中国でのAI機能の提供は、報道の時点から数か月のうちに始まる見込みだとしています。

国ごとに別のモデルを用意するやり方が、大きな企業でも現実的な選択肢になりつつあります。

まとめ

今日は、AIが作ったものをどう扱うかという論点が、表示と記録の両方から動いた日でした。

Googleは画面上の印を任意にする一方で、見えない印と来歴の記録は残す構えを示しており、透明性の担保が「見せること」から「たどれること」へ移りつつあります。

Sanbookは、NotebookLM(現Gemini Notebook)を仕事で使う人のためのコミュニティです。

作ったノートブックを公開したり、ほかの人の使い方を見たりできます。

NotebookLMを初めて使う方は、NotebookLMとは?できること・料金・始め方をまとめて解説から読んでみてください。

参考:TechCrunch「Google will now allow users to remove visible watermark from its AI generations」

参考:Google「How Google is making private AI practical with homomorphic encryption」

参考:Hugging Face「Qwen/Qwen3.8-27B-FP8」

参考:Unite.AI「Anthropic Raises Misalignment Risk to 'Low' and Shelves Internal Model 2」

参考:PPC Land「ChatGPT Free and Go users in Europe face ads from later this month」

参考:MacRumors「Apple Trained Its Own AI Model for China With Alibaba's Help」

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