2026年9月9日のAIニュース Claudeの利用枠が不正利用

Claudeの有料プランを使う人のアカウントで、本人が作業していない時間に利用枠が消費される被害が報じられました。Anthropicの説明では、端末に入り込んだマルウェアがログイン済みのセッション情報を盗み、そこから第三者が使っていたとされています。盗まれたのはパスワードそのものではなく、ログイン済みの状態でした。このほか、MetaのAIエージェント「Muse」の公開、Mistralの30億ユーロ調達、日立の「フィジカルAI元年」宣言など、あわせて6件をまとめます。

2026年9月9日のAIニュース|Claudeの利用枠が不正利用

今日は、AIの道具そのものではなく、それを使うアカウントのほうが狙われた話が表に出た日です。

Claudeの有料プランで、本人が作業していない時間に利用枠が消費される被害が報じられました。

Anthropicの説明によれば、端末に入り込んだマルウェアがログイン済みのセッション情報を盗んでいたとされています。

そのほかにも、MetaのAIエージェント「Muse」の公開や、Mistralによる30億ユーロの調達など、あわせて6件の動きがありました。

今日の注目 Claudeの利用枠が第三者に使われる被害、原因は端末のマルウェア

Claudeの利用枠が盗まれた経路を3段のステップで示した図。端末がマルウェアに感染する、ログイン済みのセッションが盗まれる、第三者の環境から利用枠が使われる、という順を表す

Claudeの有料利用者のアカウントで、身に覚えのない利用枠の消費が起きています。

TechCrunchが2026年9月8日に伝えた内容です。

報告したのは、英国イーストサセックスでAIコンサルタントを務めるGrant De Swardt氏です。

異変に気づいたのは2026年8月4日でした。

その日は作業をしておらず、外部サービスとの連携もすべて無効にしていたにもかかわらず、トークンの使用量が45パーセントから55パーセントへ上がっていたとしています。

契約していたのは月200ドルのClaude Max 20xです。

Anthropicの調査では、侵害されたセッションキーが使われ、そこからClaude Code用のOAuthトークンが不正に発行されていたとされています。

同社は、このアカウントが認可されていないと見られる第三者のサービスに使われた形跡があると説明しました。

攻撃の入り口はAnthropic側ではありません。

同社が影響を受けた利用者に送ったメールでは、利用者の端末からログイン情報を盗み出すインフォスティーラー型のマルウェアが原因だとされています。

保存されたパスワードやセッションの情報、ログインの資格情報がまとめて抜かれる種類のものです。

同じような報告はほかにもあります。

同意していないのにプランが上位へ変更されて即座に使用量が100パーセントになった例、12分のあいだに0パーセントから49パーセントまで増えた例、3日続けて操作をしていないのに使い切られた例が挙げられています。

Anthropicは、該当する利用者をサインアウトさせ、既存の認可を無効にし、一部を返金しました。

De Swardt氏への返金は44.49ポンドで、求めた利用明細は提供されなかったとしています。

同氏は契約を解除しました。

ここからはNotebookLM(現Gemini Notebook)を仕事で使っている方への意味合いです。

今回の件でGemini Notebookの機能が変わるわけではありません。

注目したいのは、盗まれたものがパスワードそのものではなく、ログイン済みの状態を示す情報だった点です。

Gemini Notebookも、Googleアカウントにログインした状態で使う道具です。

同じ端末にログイン情報を盗むマルウェアが入っていれば、影響が及ぶ範囲はAIの道具だけにとどまりません。

会社の資料を読み込ませたノートブックほど、守るべき対象は資料そのものではなくアカウントのほうになります。

出所の分からない拡張機能やツールを入れないこと、そして身に覚えのない利用に気づいたときにログイン状態をまとめて無効にすることが、手元でできる備えです。

会社アカウントとアクセス権の扱いはNotebookLMで共有できない・相手が見られない原因5つ|アクセス権と会社アカウントにまとめています。

社内資料を入れてよいかどうかの条件はNotebookLMに社内資料を入れて大丈夫?学習に使われる条件にまとめています。

そのほかの動き

MetaがAIエージェント「Muse」を公開

MetaのAIエージェントMuseの料金を3枚のカードで並べた図。利用量に制限のある無料枠、月20ドルのPowerプラン、月100ドルのMaximumプランという3段階を示す

Metaが、個人向けのAIエージェント「Muse」を公開しました。

TechCrunchが2026年9月8日に伝えた内容です。

メールやカレンダー、決済、買い物などのサービスとつなぎ、メールの送信や旅行の予約、フォームの入力を代わりに行います。

決済にはLink by Stripeを使い、パスワードや支払い手段そのものには触れない造りだとしています。

動かしているのはMuse Sparkというモデルで、Muse Secure VMと呼ぶ専用の環境で走り、Sentinelという別のエージェントが監視に回ります。

提供はmuse.aiのウェブ版とiOS・Androidアプリ、WhatsApp、そしてMetaのAIグラスです。

料金は、利用量に制限のある無料枠のほか、月20ドルと月100ドルの2つのプランがあります。

道具ごとの向き不向きはNotebookLMとChatGPTの違い|使い分けと併用のコツにまとめています。

Google CloudとAccentureがGemini Enterprise専任の組織を設立

企業のAI支出に占める割合を横棒グラフで比べた図。Anthropicが43.5パーセント、OpenAIが39.7パーセント、Googleがおよそ6パーセントで、Googleが大きく出遅れていることを示す

Google CloudとAccentureが、共同組織「Accenture Gemini Enterprise Business Group」を設立しました。

TechCrunchが2026年9月8日に伝えた内容です。

最大1,000人のAccentureのコンサルタントを、企業に入り込んで導入を進めるフォワードデプロイドエンジニアとして育てます。

背景には出遅れがあります。

Rampが2026年8月にまとめた米国顧客のデータでは、企業のAI支出に占める割合はAnthropicが43.5パーセント、OpenAIが39.7パーセントで、Googleはおよそ6パーセントでした。

実務での使いどころはNotebookLMは仕事で何に使える?実務で効く3つの使い方にまとめています。

Mistralが30億ユーロを調達、欧州テック企業で過去最大

Mistralの資金調達の規模を示した図。調達額30億ユーロを大きく置き、調達後の企業価値210億ユーロ超、2030年までに欧州で1ギガワットの計算能力、20カ国での事業展開を並べる

Mistral AIが、シリーズDで30億ユーロを調達しました。

TechCrunchが2026年9月8日に伝えた内容です。

調達後の企業価値は210億ユーロを超えます。

主導したのはSamsung Electronics、EQTが運用するScaleup Europe Fund、PSG Equityの3社です。

新たにAdventやBlackRock、ルクセンブルク大公国が加わり、a16zやNvidia、Salesforce Venturesも継続して出資しています。

同社は、欧州のテック企業による過去最大の株式による資金調達だとしています。

資金は計算資源の拡大と海外展開に充て、2030年までに欧州で1ギガワットの計算能力を確保する計画です。

日立が「2026年はフィジカルAI元年」、HMAX事業で売上5000億円へ

日立の狙いを課題と目標の対比で示した図。左に2040年に1100万人の労働力不足という国内の推計、右にHMAX事業で売上高5000億円と利益率22パーセントという2026年度末の目標を置く

日立製作所が、2026年をフィジカルAI元年と位置づけました。

ITmedia AI+が2026年9月8日に伝えた内容です。

徳永俊昭社長が示したもので、HMAX事業では2026年度末時点で売上高5000億円、利益率22パーセントを見込むとしています。

あわせてセキュリティサービス「HMAX Cyber」を発表しました。

検証ではAnthropicのClaude Mythos Previewを使い、人間では到底見つけられなかった脆弱性を発見したとしています。

同社はロボットもLLMも自社では作らず、NVIDIAやAnthropicと組んで世界一のフィジカルAIの使い手を目指すとしています。

背景には、2040年に1100万人の労働力が不足するという国内の推計があります。

AdobeがPremiereとAfter EffectsにAI機能を追加

AdobeがPremiereとAfter Effectsに追加した機能を2列に分けて示した図。左のPremiereは生成メディアツールと音声ツールとカラーモード、右のAfter Effectsはプロジェクトの整理と壊れたエクスプレッションの修復を担うAIアシスタントを表す

Adobeが、動画編集ソフトの新しいAI機能を発表しました。

AI Watchが2026年9月8日に伝えた内容です。

Premiereには、タイムライン上で映像や音を直接作る生成メディアツールが加わりました。

効果音や環境音、商用利用できる背景音楽を作る機能があり、ノイズの低減や、重なった音声を別々のトラックに分ける音声ツールもベータ版で用意されます。

対応するモデルはAdobe FireflyのほかGoogle Veo、Kling、Runway、Lumaなどです。

After Effectsには、プロジェクトの整理や壊れたエクスプレッションの修復を裏側で進めるAIアシスタントがベータ版で加わります。

提供時期と料金は記事では触れられていません。

まとめ

今日は、AIを仕事へ組み込むための投資と、その入り口であるアカウントの脆さが、同じ日に並びました。

エージェントが代わりに動き、導入を支える人員や資金は積み上がっていきますが、手元の端末が破られればその全部が他人に使われうる、という話でもあります。

Sanbookは、NotebookLM(現Gemini Notebook)を仕事で使う人のための情報を集めたコミュニティです。

実際のノートブックの作例や、目的別の使い方は次のページからご覧いただけます。

参考:TechCrunch「Hackers are stealing Claude tokens from subscribers」

参考:TechCrunch「Meta debuts its Muse AI agent. Will consumers trust it?」

参考:TechCrunch「Google Cloud races to catch up in the AI deployment wars with Accenture deal」

参考:TechCrunch「Mistral raises €3B as sovereign AI becomes big business」

参考:ITmedia AI+「「2026年はフィジカルAI元年」日立、AIサービス群全体で売上5000億円へ」

参考:AI Watch「「Adobe Premiere」「Adobe After Effects」に新AI機能導入」

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