2026年8月27日のAIニュース Googleが文字起こしモデルを公開

Googleは、話し言葉を文字に起こすモデル「Gemini 3.5 Transcribe」を公開しました。85を超える言語を自動で判別し、言い直しやつなぎ言葉を取り除いたうえで、話し手を区別して文字にします。このほか、ChatGPT Workがログインの必要なサイトも操作できるようになったこと、Amazonが「Mechanical Turk」を9月30日に終了すること、IBMが推論モデル「Granite 4.2」を公開したことなど、あわせて6件をまとめます。

2026年8月27日のAIニュース|Googleが文字起こしモデルを公開

今日は、話し言葉を文字にする仕組みが新しくなった日です。

Googleは、音声を文字に起こすモデル「Gemini 3.5 Transcribe」を公開しました。

言い直しやつなぎ言葉を取り除き、話し手を区別したうえで文字にします。

そのほかにも、ChatGPT Workがログインの必要なサイトを操作できるようになるなど、あわせて6件の動きがありました。

今日の注目 Googleが文字起こしモデル「Gemini 3.5 Transcribe」を公開

Gemini 3.5 Transcribeの主な数値を3枚のカードで並べた図。自動で判別する言語が85以上、一括処理での単語誤り率が2.6パーセント、最終結果が出るまでの時間が従来比70パーセント短縮であることを示す

Googleは2026年8月26日、音声を文字に起こすモデル「Gemini 3.5 Transcribe」を公開しました。

同社の公式ブログで発表された内容です。

85を超える言語を自動で判別し、地域ごとのアクセントや方言にも対応します。

話し言葉をそのまま書き取るのではなく、読める形に整えて出す点が特徴です。

「火曜に、いえ水曜にしましょう」のような言い直しは、あとから言い直したほうを採ります。

「えー」「あのー」といったつなぎ言葉は取り除かれ、文の体裁も自動で整えられます。

専門用語や固有の表記をあらかじめ覚えさせることもできます。

最大3人までの話し手を区別し、それぞれの発言に時刻を付けます。

精度は、逐次処理での単語誤り率が4.0%、一括処理では2.6%と説明されています。

いずれもArtificial Analysisによる測定値として示されたものです。

最終的な文字起こしが出るまでの時間は、従来のChirp 3と比べて70%短くなったとしています。

開発者向けにはGoogle AI Studioで先行公開され、Gemini APIとGoogle Antigravityから呼び出せます。

一般の利用者向けには、macOS版のGeminiアプリで既に使えるほか、Androidの「Rambler」が一部の国と言語で対応し、Chromeへの搭載も予告されています。

日本語での精度は個別には公表されていません。

ここからはNotebookLM(現Gemini Notebook)を仕事で使っている方への意味合いです。

会議の録音や打ち合わせの音源は、ノートブックに入れる資料として使いやすい部類に入ります。

ただし音声のまま入れるより、テキストに起こしてから入れたほうが、複数回ぶんを横断して読ませやすくなります。

その前段にあたる文字起こしの質が上がると、ノートブックに入る資料そのものの質が上がります。

話し手の区別と時刻が付く点は、誰が何を引き受けたかをあとから追うときに効きます。

つなぎ言葉と言い直しが取り除かれる点は、要約のもとになる文章の密度に効きます。

社内の略語を覚えさせられる点は、議事録のように固有名詞が多い文章で差が出ます。

録音からノートブックを作る手順はNotebookLMで議事録を作る方法|録音をそのまま入れて決定事項とTODOを出すにまとめています。

NotebookLMからGemini Notebookへの改称で何が変わったかはNotebookLMがGemini Notebookに改称|変わった点と変わらない使い方で扱っています。

そのほかの動き

ChatGPT Work、ログインが必要なサイトも操作できるように

ChatGPT Workが認証の要るサイトを操作する流れを3段のステップで示した図。利用者が自分でログインする、ログインした状態が保たれる、パスワードをモデルに渡さないままAIが作業を続ける、の順に示す

OpenAIは8月25日、AIエージェント機能「ChatGPT Work」で認証の必要なWebサイトも操作できるようにすると発表しました。

ITmedia AI+が2026年8月26日に伝えた内容です。

利用者が自分で認証情報を入力してログインすると、その状態を保ったままChatGPTが作業を続けられます。

ユーザー名とパスワードはモデルに送られず、モデルの学習にも使われないと説明されています。

対象はPlus、Pro、Businessの各プランです。

デスクトップアプリでは既に対応しており、Web版とモバイル版への展開時期は明らかにされていません。

AIに任せる範囲を、認証情報とその先の操作とで分けて考える形が示されています。

自律型AIが脆弱性を発見・悪用、対処すべきは全体の1.5%

脆弱性の警告を絞り込む流れを漏斗の形で示した図。1万件の警告のうち重要資産への侵入経路は12件で、攻撃者が実際に悪用するのは既知の脆弱性の1.5パーセント未満であることを示す

TechTarget Japanは2026年8月27日、自律的に動くAIが脆弱性を見つけて悪用する事例を扱う記事を公開しました。

セキュリティ企業Wizの検証ツール「Red Agent」が、Snowflakeの公開リポジトリでGitHub Actionsの設定不備を見つけたと伝えています。

人の手を介さずに攻撃コードを作り、社内のJiraへのアクセス権を得たとされています。

記事は、攻撃者が実際に悪用する脆弱性は既知のもの全体の1.5%未満だとしています。

1万件の脆弱性のうち、重要資産への侵入経路として成り立つのは12件だけという例も挙げられています。

警告の件数を追うのではなく、経路になりうるものを選ぶ必要があるという指摘です。

Amazonが「Mechanical Turk」を9月30日に終了

Mechanical Turkの前後を左右で対比した図。左に2005年開始で190か国50万人以上が細かな作業を担ってきた状態、右に2026年9月30日で終了する状態を示す

Amazonが、人手による細かな作業を仲介する「Mechanical Turk」を2026年9月30日に終了すると、The Next Webが8月26日に伝えました。

2005年に始まったサービスで、190か国の50万人以上が、データのラベル付けや音声・映像の文字起こし、アンケート回答などを担ってきました。

創業者のジェフ・ベゾス氏が「人工の人工知能」と呼んだ仕組みです。

Amazonは、プログラムやサービスを定期的に見直した結果だと説明するにとどめています。

2023年の調査では、作業者の最大46%がAIを使って作業を片付けていたことが分かっていました。

IBMが推論モデル「Granite 4.2」をApache 2.0で公開

Granite 4.2の3つのモデルサイズをカードで並べた図。30億、80億、300億パラメータの3種類があり、いずれもApache 2.0ライセンスで重みが配布されることを示す

IBMは2026年8月25日、オープンな推論モデル「Granite 4.2」を公開しました。

同社の研究部門のブログで発表された内容です。

30億、80億、300億パラメータの3種類があり、重みはApache 2.0ライセンスで配布されます。

順を追って考えてから動く仕組みと、外部のツールを呼び出す機能を備えます。

配布先はHugging Face、Ollama、LM Studio、OpenRouterなどで、IBMのwatsonxからも利用できます。

ライセンスの制約が緩いため、手元の環境に置いて手を入れる使い方を検討しやすい形です。

生成AIが試験導入で止まる理由、障壁の8割はスキルとデータ

生成AIが本番運用に進まない障壁を横棒で並べた図。スキルと専門知識の不足が80パーセント、データの出どころが不明確で信頼できないことが71パーセント、リアルタイムデータの処理やインフラの制約が69パーセントであることを示す

@ITは2026年8月26日、生成AIやAIエージェントが試験導入で止まる理由を扱う記事を公開しました。

Confluentの「Data Streaming Report 2026」を引いた内容です。

14か国のIT専門家4,625人を対象にした調査で、うち日本の回答者は275人でした。

障壁として挙がったのは、AI人材とデータに関するスキルや専門知識の不足が80%、データの出どころが明確でなく信頼度が不確かなことが71%、リアルタイムデータの処理やインフラの制約が69%です。

道具そのものより、渡すデータの側に課題があることを示す結果です。

社内の資料をAIに読ませるときの前提はNotebookLMに社内資料を入れて大丈夫?学習に使われる条件にまとめています。

まとめ

今日は、AIに渡す材料の作り方と、AIが自分で動ける範囲の話が同じ日に並びました。

音声を読める文章に整える仕組みが新しくなった一方で、認証の先まで操作したり脆弱性を自力で突いたりする例も出ており、どこまで任せるかを決める場面が増えています。

Sanbookは、NotebookLM(現Gemini Notebook)を仕事で使う人のための情報を集めたコミュニティです。

実際のノートブックの作例や、目的別の使い方は次のページからご覧いただけます。

参考:Google「Intelligent transcription with Gemini 3.5 Transcribe」

参考:ITmedia AI+「ChatGPT Work、ログイン必要なサイトも操作可能に 「パスワードは一切見ない」」

参考:TechTarget Japan「自律型AIが脆弱性を発見・悪用 情シスに問われる「対処すべき1.5%」の選別」

参考:The Next Web「Amazon is closing Mechanical Turk, the human workforce it sold as AI」

参考:IBM Research「Granite 4.2 brings native reasoning to enterprise agents」

参考:@IT「AI エージェント等の生成系AI は本番運用に進まない――PoC止まりの理由は、新しいシステム構築が必須」

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