2026年10月3日のAIニュース 文字起こしが1時間0.54ドルへ

Microsoftが音声を文字にするモデルと、文字を音声にするモデルを公開しました。文字起こしは日本語を含む60言語に対応し、音声を受け取ってから100ミリ秒強で暫定の結果を返します。価格は年末までの導入価格で音声1時間あたり0.54ドルです。このほか、Cloudflareが文章ではなく選択肢の確率を返す判断モデルを公開した件、ChatGPTの有料ユーザーの利用制限枠のリセット、米国企業のAI支出が減り続けている調査、会計の実務課題でAIが会計士の点数を上回った評価、ELYZAの国産ベースモデルの無料公開など、あわせて6件をまとめます。

2026年10月3日のAIニュース|文字起こしが1時間0.54ドルへ

今日は、AIに任せる作業の単価が下がった日です。

音声を文字に起こす費用が、1時間あたり0.54ドルまで下がりました。

そのほかにも、Cloudflareが判断に特化したモデルを公開するなど、あわせて6件の動きがありました。

今日の注目 Microsoftが文字起こしと音声合成の新モデルを公開しました

Microsoftが公開した音声モデル2系統の数値を並べた図。上段の文字起こしに対応言語60言語、暫定結果まで100ミリ秒強、音声1時間0.54ドルの3枚のカード、下段の音声合成に対応言語23言語、生成の遅延150ミリ秒、100万文字15ドルの3枚のカードを置く

Microsoftが、音声を文字にするモデルと、文字を音声にするモデルを公開しました。

ITmediaが2026年10月2日に伝えた内容で、発表は現地時間の10月1日です。

文字起こしは「MAI-Transcribe-2-Streaming」で、同社として初めてのストリーミング方式にあたります。

対応する言語は日本語を含む60言語です。

音声を受け取ってから100ミリ秒強で暫定の結果を返すため、話し終わるのを待たずに処理を始められます。

言語の判定は自動で行われます。

精度はAI評価機関のArtificial Analysisで1位とされています。

価格は年末までの導入価格で、音声1時間あたり0.54ドルです。

音声合成は「MAI-Voice-2.1」と、高速版の「MAI-Voice-2.1-Flash」です。

扱える言語は23で、言語ごとのアクセントに対応します。

Flashは45秒の音声を150ミリ秒の遅延で生成します。

価格は通常版が100万文字あたり22ドル、Flashが15ドルです。

Microsoftは、Flashが同等のモデルと比べて約60パーセント安いと説明しています。

いずれもMicrosoft Foundryのパブリックプレビューと、MAI Playgroundで使えます。

ここからはNotebookLM(現Gemini Notebook)を仕事で使っている方への意味合いです。

Gemini Notebookは、音声ファイルをそのまま資料として読み込めます。

それでも、会議の録音を先に文字へ起こしてから入れる進め方には利点があります。

文字になっていれば、回答の根拠がどの発言なのかを原文で確かめられます。

今回の価格は、その前処理を外のサービスに任せる費用の目安が下がったことを意味します。

録音から議事録を作る手順はNotebookLMで議事録を作る方法|録音をそのまま入れて決定事項とTODOを出すにまとめています。

資料を音声にして聴く側の手順はNotebookLMの音声概要の作り方|日本語で聴くポッドキャスト化の手順にあります。

そのほかの動き

Cloudflareが文章ではなく確率を返す判断モデルを公開しました

判断モデルの仕組みを従来の言語モデルと対比した図。左に文章で答えを返し人が読んで次を決める流れ、右に決めた選択肢に確率を付けて後ろの処理がそのまま動く流れを置き、下段に遅延と点数の3つの比較カードを並べる

Cloudflareが、判断に特化したモデル「Clef」と「Clef-flash」を公開しました。

THE DECODERが2026年10月2日に伝えた内容です。

文章を書くのではなく、あらかじめ決めた選択肢それぞれに確率を付けて返す仕組みです。

後ろにつながる処理が、その数値を見てそのまま動けます。

例として、問い合わせの緊急度を判定して担当する部署へ振り分ける使い方が挙げられています。

遅延と点数は、Clef-flashが39ミリ秒で57.1、Clefが209ミリ秒で61.2です。

比較対象のJevは524ミリ秒で57.9でした。

扱える文脈は6万4000トークンで、Clefはテキストと画像の両方を受け付けます。

Hugging FaceでApache-2.0のもとに公開され、Cloudflare Workers AIでも動きます。

ChatGPTの有料ユーザーの利用制限枠がリセットされます

ChatGPTの利用制限枠のリセットを前後で対比した図。左に上限に達すると使えない状態、右に日本時間10月3日午前2時に枠が戻る状態を置き、下段にGPT-6.1 Solの処理速度が一時下がっていたことへの対応という理由を添える

OpenAIが、ChatGPTの有料ユーザー全員の利用制限枠をリセットします。

ITmedia AI+が2026年10月2日に伝えた内容です。

実施は日本時間の10月3日午前2時です。

9月29日に公開されたモデル「GPT-6.1 Sol」の処理速度が一時的に下がっていたことへの対応です。

OpenAIのプロダクト責任者は、発表の時点では想定どおりの速度に戻っていると述べています。

具体的な上限の回数は公表されていません。

無料で使える量と有料で使える量の違いはNotebookLMは無料でどこまで使える?無料版と有料版の上限比較にまとめています。

米国企業のAI利用は増え、支出は減り続けています

Ramp AI Indexの数値を示した図。上段に7月からの利用が約5割増、同じ期間の支出は減少の2枚のカード、下段に9月最終週のトークン支出シェアをAnthropic 51パーセント、OpenAI 44.5パーセント、公開モデル5パーセント未満の横棒で並べる

米国企業のAIの利用は増えているのに、支出は減っています。

THE DECODERが2026年10月2日に伝えたRamp AI Indexの内容です。

7月以降、利用はおよそ5割増えた一方で、支出は減り続けています。

エコノミストのAra Kharazian氏は、支出が下がった理由はほぼOpenAIとAnthropicの競争によるものだと述べています。

上位モデルの値下げと、安くて効率のよい標準版や軽量版が出たことが効いています。

9月最終週のトークン支出では、Anthropicが51パーセント、OpenAIが44.5パーセントでした。

重みが公開されているモデルは5パーセント未満です。

この指数は7万社を超える米国企業の取引データに基づき、APIの支出だけを対象にしています。

会計の実務課題で、AIが公認会計士の点数を上回りました

会計の実務課題の正答率を比べた図。上段にAPEXの160課題でClaude Opus 5.5が61.8パーセント、Fable 5.1が61.0パーセント、GPT-6 Astraが57.9パーセントの横棒、下段に簡易版の課題で公認会計士12人が約37パーセントの横棒を置く

会計の実務課題で、AIが公認会計士の点数を上回りました。

THE DECODERが2026年10月2日に伝えたMercorの調査です。

APEXという160課題の評価では、Claude Opus 5.5が61.8パーセント、Fable 5.1が61.0パーセント、GPT-6 Astraが57.9パーセントでした。

平均5.5年の経験を持つ公認会計士12人は、簡易版の課題で約37パーセントでした。

ただし、全体の6割近い課題は、どのモデルも完全には解けていません。

顧客とのやり取りや同僚との連携は評価に含まれていません。

Mercorは、職が置き換わるのではなく、業界全体の生産性が大きく上がると見ています。

ELYZAが国産のLLM-jp-4をもとにしたモデルを無料公開しました

ELYZAのモデル公開までの流れを3段のステップで示した図。国立情報学研究所がLLM-jp-4を開発する段、ELYZAが推論向けに学習させる段、Hugging FaceでApache 2.0のもとに公開する段を順に並べ、下段に20種類のベンチマークの結果を添える

KDDI傘下のELYZAが、国産のLLM-jp-4をもとにしたモデル2種を無料公開しました。

ITmedia AI+が2026年10月2日に伝えた内容です。

公開されたのは「ELYZA-Thinking-1.0-llm-jp-4-33b」と「ELYZA-Thinking-1.0-llm-jp-4-32b-a3b」です。

土台は国立情報学研究所が開発したLLM-jp-4シリーズです。

ライセンスはApache 2.0で、商用の利用もできます。

20種類のベンチマークで比べた結果、一部では国立情報学研究所のLLM-jp-4.1を上回ったとしています。

公開先はHugging Faceです。

まとめ

今日は、AIに任せる作業の単価と、任せたあとに人が確かめる場所の話が並んだ日です。

音声の文字起こしは1時間0.54ドルまで下がり、判断そのものを外に出すモデルも出てきました。

一方で会計の評価では、速さと正確さで上回っても締めまでは任せられない、という結果が出ています。

手元で効くのは、どの工程を安く外に出し、どこを自分で確かめるかを分けて考えることだと思います。

Sanbookは、NotebookLM(現Gemini Notebook)を仕事で使う人のための情報を集めたコミュニティです。

実際のノートブックの作例や、目的別の使い方は次のページからご覧いただけます。

参考:ITmedia NEWS「Microsoft、初のストリーミング文字起こしモデル「MAI-Transcribe-2-Streaming」公開 音声合成「MAI-Voice-2.1」と高速版も」

参考:THE DECODER「Cloudflare says its new Clef model means humans no longer need to be in the loop for AI agents」

参考:ITmedia AI+「ChatGPTの"利用制限"リセットへ 有料ユーザー向け」

参考:THE DECODER「Businesses are using more AI and paying less for it, Ramp AI Index shows」

参考:THE DECODER「AI beats licensed accountants on speed and accuracy, but still can't close the books without supervision」

参考:ITmedia AI+「国産AI「LLM-jp-4」ベースのAIモデル、KDDI傘下のELYZAが無料公開」

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