2026年9月1日のAIニュース Claudeのセッションが盗まれる

Anthropicは、利用者の端末に入り込んだ情報窃取型のマルウェアによって、Claudeのログインセッションが盗まれていたと明らかにしました。盗まれたのはパスワードではなくセッションクッキーで、二要素認証を設定していても防げません。このほか、EUがChatGPTをデジタルサービス法の最も厳しい規制の対象に指定したこと、米国防総省が職員向けの生成AIの窓口を公開したこと、Anthropicが日本語のAI学習サイトを無料で公開したことなど、あわせて6件をまとめます。

2026年9月1日のAIニュース|Claudeのセッションが盗まれる

今日は、AIのアカウントそのものが狙われていたことが分かった日です。

Anthropicは、情報窃取型のマルウェアによってClaudeのログインセッションが盗まれ、他人の有料の利用枠が使われていたと明らかにしました。

パスワードではなくログイン済みの状態が盗まれたため、二要素認証では防げませんでした。

そのほかにも、EUによるChatGPTの規制対象への指定や、米国防総省の生成AIの窓口など、あわせて6件の動きがありました。

今日の注目 Claudeのログインセッションが盗まれる、Anthropicが利用者に警告

マルウェアがログインセッションを盗んでアカウントに入るまでを3段のステップで示した図。端末がマルウェアに感染する、ブラウザからセッションクッキーが盗まれる、パスワードと二要素認証を通らずにアカウントに入られる、という順を表す

Anthropicは、利用者の端末に入り込んだ情報窃取型のマルウェアによって、Claudeのログインセッションが盗まれていたと明らかにしました。

BleepingComputerが2026年8月30日に伝え、Help Net Securityが8月31日に続報を出した内容です。

同社は8月30日から、影響を受けた利用者への連絡を始めました。

盗まれたのはパスワードではなく、ログイン済みの状態を保つためのセッションクッキーです。

このクッキーを手に入れた攻撃者は、パスワードも二要素認証も通らずにアカウントへ入れます。

実際に、他人のアカウントで有料の利用枠を使い切る被害が起きました。

Anthropicが名前を挙げたマルウェアは、Windowsで動くVidar、LummaC2、StealC、RedLine、Acreedの5種類です。

Macでは Atomic Stealer が少数の端末で確認されました。

スマートフォンとタブレットは影響を受けていないとしています。

同社の対応は3つです。

1つ目に、盗まれたセッションを無効にするため、対象の利用者を強制的にログアウトさせました。

2つ目に、アカウントに保存されていた支払い方法を削除しました。

3つ目に、攻撃者の利用によって発生したと判断できた請求を返金しました。

Anthropicは、このマルウェアがClaudeを通じて入ったものではないと明言しています。

感染源は利用者自身がダウンロードした不正なファイルやアプリだとしています。

ここからはNotebookLM(現Gemini Notebook)を仕事で使っている方への意味合いです。

この手口は、Claudeに限った話ではありません。

セッションクッキーを盗む仕組みは、ブラウザに残っているログイン状態を区別しません。

Gemini Notebookを使うためのGoogleアカウントも、同じ端末にマルウェアが入っていれば同じ危険にさらされます。

二要素認証を設定していても防げない点が、この事件のいちばん重いところです。

ノートブックには、社外に出せない資料を入れている方も多いはずです。

アカウントに入られると、使用量を消費されるだけでなく、入れた資料そのものが読まれます。

Anthropicが利用者に示した手順も、そのまま参考になります。

はじめにマルウェアを駆除することです。

ログアウトは盗まれたセッションを止めますが、マルウェアは端末に残ったままだからです。

そのうえでメールアカウントのパスワードを変え、ブラウザに保存したパスワードを入れ替え、ほかのサービスも一度ログアウトしてから入り直す、という順が示されています。

社内の資料をノートブックに入れてよいかの判断基準はNotebookLMに社内資料を入れて大丈夫?学習に使われる条件にまとめています。

そのほかの動き

EUがChatGPTを最も厳しい規制の対象に指定

EUがChatGPTを規制対象に指定した件の数字を4枚のカードで並べた図。指定の基準がEU域内で月4500万人、ChatGPTの利用者が約1億5900万人、対応の期限が2026年11月末、違反時の制裁金が世界売上高の最大6%であることを示す

欧州委員会が、ChatGPTをデジタルサービス法(DSA)の「超大規模オンライン検索エンジン」に指定しました。

Euronewsが2026年8月31日に伝えた内容です。

AIチャットボットがこの区分に指定されるのは初めてです。

EU域内の月間利用者が4500万人を超えるサービスが対象で、ChatGPTはおよそ1億5900万人とされています。

同時にRedditとRobloxも、超大規模オンラインプラットフォームに指定されました。

指定された事業者は、違法コンテンツや未成年者の保護、選挙への影響について、年1回のリスク評価と外部監査を求められます。

対応の期限は4か月後の2026年11月末です。

違反した場合の制裁金は、世界全体の年間売上高の最大6%です。

同じChatGPTでも、資料を読ませる用途との向き不向きはNotebookLMとChatGPTの違い|使い分けと併用のコツで扱っています。

米国防総省が生成AIの共通窓口「GenAI.mil」を公開

米国防総省の生成AIの窓口で使えるモデルと含まれないモデルを左右で対比した図。左にChatGPT Mil、Grok for Government、Google Geminiが並び、右にAnthropicのClaudeが含まれないことを示す

米国防総省が、職員向けの生成AIの共通窓口「GenAI.mil」を公開しました。

TechCrunchが2026年8月31日に伝えた内容です。

OpenAIの「ChatGPT Mil」とxAIの「Grok for Government」が使え、Google Geminiは先行して提供されています。

対象は300万人の職員で、これまでに170万人が利用登録を済ませたとされています。

扱えるのは機密指定のない業務に限られます。

一般向けの製品では避けにくいデータ収集の対象から外れる点が、専用の窓口を設けた理由です。

AnthropicのClaudeは含まれていません。

安全対策の制限を外すことを同社が拒んだ後、政権が供給網上のリスクと位置づけた経緯があるとされています。

Claude Codeの週次上限が9月14日に変更、実質は減少

Claude Codeの週次上限が変わる前と変わったあとを左右で対比した図。基準を100とすると現在は一時的な増枠で150、2026年9月14日からは恒久的な125になり、いま使える量と比べるとおよそ17%の減少になることを示す

Anthropicが、Claude Codeの週次の利用上限を2026年9月14日から25%引き上げると発表しました。

ITmedia AI+が2026年8月31日に伝えた、8月29日発表の内容です。

対象はPro、Max、Team、Enterpriseの各プランで、恒久的な変更とされています。

ただし現在の枠は、5月13日から続く一時的な50%増しの状態です。

基準を100とすると、いまが150で、9月14日からは125になります。

発表の言葉は引き上げですが、いま使える量と比べるとおよそ17%の減少です。

具体的なトークン数は公表されていません。

Anthropicが日本語のAI学習サイトを無料で公開

Anthropicが公開した学習サイトの中身を示した図。合計357件を大きく置き、AIの基礎を扱うAI FluencyとClaudeの製品を扱うMasteryの2本立てであること、内訳がコース22件、チュートリアル119件、事例148件、ウェビナー68件であることを表す

Anthropicが、日本語で読める学習サイト「Claude Academy」を無料で公開しました。

@ITが2026年8月31日に伝えた内容です。

用意されたコンテンツは357件です。

内訳は、コースが22件、短いチュートリアルが119件、事例が148件、ウェビナーと実演が68件です。

構成は、AIの基礎を扱う「AI Fluency」と、Claudeの各製品を扱う「Mastery」の2つに分かれます。

対象は、AIに関心がある人から、仕事で使いたい人、開発を始める人までとされています。

AIチャットボットは偽情報の約75%を見抜いた

偽情報を見抜いた割合を3本の横棒で比べた図。AIチャットボットが約75%でもっとも高く、検索エンジンのAI要約はそれより低く、通常の検索結果がもっとも多く見逃したことを示す

NPRとNewsGuardが、AIチャットボットが外国から流される偽情報にどう答えるかを検証しました。

NPRが2026年8月30日に公開した内容です。

ロシア、中国、イランが2025年12月から2026年7月にかけて広めた15件の偽情報をもとに、30問を作りました。

1問は「これは起きましたか」と中立に尋ね、もう1問は起きた前提で「なぜ起きたのですか」と尋ねる形です。

対象はChatGPT、Gemini、Copilot、Meta AI、Grok、Claudeの6つです。

チャットボットはおよそ75%の割合で誤りを指摘し、検索エンジンのAI要約はそれより低い結果でした。

通常の検索結果が、もっとも多く誤りを見逃しています。

出どころの怪しい情報をどう扱うかは、資料を読ませる使い方でも同じ問題になります。

回答に資料以外の話が混ざる原因と対処はNotebookLMの回答が間違っている・ソースにない話が混ざる原因と対処法にまとめています。

まとめ

今日は、AIを使う側のアカウントと、AIを提供する側の責任が、どちらも問われた日です。

手元では二要素認証を越えてセッションが盗まれ、制度の側ではChatGPTがEUの最も厳しい規制の対象になりました。

Sanbookは、NotebookLM(現Gemini Notebook)を仕事で使う人のための情報を集めたコミュニティです。

実際のノートブックの作例や、目的別の使い方は次のページからご覧いただけます。

参考:BleepingComputer「Anthropic warns infostealer malware is hijacking Claude sessions to drain usage」

参考:Help Net Security「Anthropic locks out Claude users after infostealers hijack login sessions」

参考:Euronews「EU places ChatGPT, Reddit and Roblox under strictest digital safety rules」

参考:TechCrunch「The Pentagon now has its own version of ChatGPT and Grok」

参考:ITmedia AI+「「Claude Code」の週次制限枠、9月14日に"25%引き上げ" 実質は現状比17%減に」

参考:@IT「【無料】日本語のAI学習サイトをAnthropicが公開 「Claude Code入門」など357のコンテンツが学べる」

参考:NPR「We tested how AI chatbots would handle foreign propaganda. They did surprisingly well」

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